「煽動者」ジェフリー・ディーヴァー著、池田真紀子訳

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 身ぶりや表情から人の思考を読み取るキネシクスの専門家であるキャサリン・ダンスは、ある殺し屋の嘘を見抜けず取り逃がしてしまった責任を取らされ、刑事バッジも拳銃も取り上げられ民事部に異動となった。

 そこで割り当てられたのは、満員のコンサート会場で起きた将棋倒しの事故。ところが、保険にまつわるもろもろの書類仕事で終わるはずが、調べてみると故意に起こされた事件の疑いが出てきた。当初、火災で観客がパニックを起こしたと思われていたが、火元は会場の外にあり、しかも観客が殺到した非常口はトラックで塞がれていたからだ。

 いったい誰が何のためにパニックを“煽動”したのか。物証もなく、動機さえつかめないなか、次の事件が発生する。一刻の猶予もなくすぐにでも真相を掴まなければならないのだが……。

 相手の内面を読み解く女性捜査官が活躍する「キャサリン・ダンス」シリーズの第4弾。かろうじて捜査にはかかわりつつも、左遷の憂き目に遭っている主人公が、するどい観察眼を武器に犯人像に迫っていく。大長編ながら、数々の伏線の後の結末まであっという間の面白さだ。(文藝春秋 2400円+税)


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