「我慢ならない女」桂望実著

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 昭和55年、18歳の明子は叔母のひろ江が作家デビューしたと知り、会いに行く。10年ぶりの再会だったが、ひろ江は作家志望だという明子の小説を酷評。歯に衣着せぬひろ江の言葉に打ちのめされた明子だが、叔母の話は正論だけに反論できない。やがて明子は、信用金庫で働くかたわら、原稿の清書などひろ江の手伝いをするようになった。執筆中に奥歯をかみ砕くほど命がけで作品に取り組むひろ江は、編集者にも同じ真剣さを求める厄介な人だった。明子はひろ江が見放されないよう、編集者に頭を下げ続けるが仕事の依頼は減る一方。デビューから6年後、ひろ江の作品のドラマ化の話が持ち上がる。

 厄介な女流作家と彼女に献身的に仕える姪の人生を描く長編小説。(光文社 600円+税)


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