【回想録】ある職業に就いた5人の男の物語

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 5人の男が自らの半生を語る回想録。彼らの仕事とは鼻と機転が利くこと、雇い主の気まぐれな要望に可能な限り応えること。ただし、できないことはできないと毅然と断れること。侮辱や嘲笑はウイットで返し、時には華麗かつ優雅に振る舞い、俳優のような演技力も要求される。180センチ以上の身長が求められることもあれば、酒やたばこの嗜好品が制限されることも。そして、同僚や部下との恋愛はご法度。

 もちろん、その職業は田舎の若者が突然なれるものではない。下積み時代はあらゆる雑務をこなす。靴磨きにネズミ駆除、荷物運び、大小便を失禁する150キロの巨漢を運んで入浴補助。しかも安月給。ひと月もたない者もいる。それでも彼らは愛と伝統と格式を重んじて、その職に従事した。

 不幸なことに、特有の職業病もある。酒に溺れてアルコール中毒になるという。この病に陥ったことを告白する男もいる。

 語った当時の彼らの齢は40~90代。聞き手である著者の女性は、彼らの職業と、彼らとともに過ごした人生を誇りに思い、執筆したという。

★先週のX本はコレでした

「さあ、見張りを立てよ」
ハーパー・リー著
早川書房 3000円+税

【連載】書名のない書評「ゲンダイX本」

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