「ファースト・エンジン」未須本有生著
エンジンの総合メーカーに就職した中河は、念願かなって防衛庁が開発する超音速戦闘機TF-X用の新型エンジンのプロジェクトチームに配属される。これまで外国製エンジンのライセンス生産を行ってきた同社にとっても、超音速エンジンの開発は初めての経験だった。リーダーの本庄や女性上司の城内ら優秀な技術者とともに中河は試行錯誤を重ねながらエンジンの完成度を上げていく。
しかし、最終の燃焼テスト中、エンジンが爆発。計測室に飛び込んできた破片に直撃され、中河は命を落とす。職を辞して責任を取ろうとした本庄は、中河の父親から事故の原因究明と、エンジンの完成を求められる。
超音速エンジンの開発に挑む技術者たちの挑戦を描くモノづくり小説。(集英社 540円+税)