「朴正煕と金大中が夢見た国」金景梓著、太刀川正樹訳

公開日: 更新日:

 韓国で、革新系で「反日」の文在寅大統領が誕生した。

 かつて「反日」といわれた金大中大統領が当選した時、小渕首相(当時)と個人的に親しくなり、日韓関係が好転して、日本で韓流ブームまで起きた歴史もある。

 著者は学生時代に4・19学生革命に参加、軍事政権から逃れて、米国で亡命生活を送った経験を持つ。

 その後、金大中、盧武鉉の選挙参謀を務め、2012年には保守系の朴槿恵の選挙陣営に加わるという異例の経歴の持ち主で、「韓国では朴正煕に代表される保守派と、金大中に象徴される進歩派が和解してこそ、北朝鮮の脅威に対抗できる」と主張する。

 本書には朴正煕と金大中が若い頃、共産主義思想に染まったが、どう克服したのか、また金大中の専売特許といわれた「太陽政策」はもともと朴正煕の発想だったという事実も紹介されている。混迷する韓国政治を理解する一助になる。(如月出版 1852円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」