「嘘と人形」岩井志麻子著

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 私はテレビでヒョウの全身スーツを着た岩井志麻子を見るたびに姉を思い出す。芸術家になりたかった姉は生前、本間切美という名でネット上に作品を公開していた。経歴は嘘ばかり、作品は見るものを不快にさせる代物ばかりだったが、なぜかカルト的な人気があった。

 そんな姉が自宅マンションの部屋で、首を切断されて死んだ。ヒョウのぬいぐるみの首にくるまれていたそうだ。ところがこの事件は、Q国で起きた猟奇的な「ガオちゃん殺人事件」にそっくりなうえ、実は姉の部屋では過去、女性が殺されていたことを知る。

 ある日私に、見知らぬ男からノートが送られてきた。そこにつづられていたのは、姉や以前の住人の女性殺しをほのめかす“話”だった。

 社会の底辺を生きる女性の虚実入り交じる世界を描いたミステリー。(太田出版 1500円+税)

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