「食品サンプルの誕生」野瀬泰申著

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 日本独自の文化「食品サンプル」を論じたノンフィクション。

 記録によると、日本最初の食品サンプルは、西尾惣次郎なる人物によって大正6年に製作されたという。現在のような飲食物見本を陳列するサンプルケースの源流は、大正12年に百貨店の食堂で誕生。同時に生まれた食券制度との併用で、混雑解消と売り上げ増に貢献したという。そして昭和7年、大阪で弁当屋の店員だった岩崎瀧三氏が、事業化に乗り出し、食品サンプルは全国に広がっていく。

 そんな歴史から、海外の人から見ると奇異にも映る食品サンプルを受け入れた日本人の心理構造、そしてソウルや上海などに定着しつつある食品サンプルの現状まで言及する異色日本文化史。(筑摩書房 800円+税)

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