「食品サンプルの誕生」野瀬泰申著

公開日: 更新日:

 日本独自の文化「食品サンプル」を論じたノンフィクション。

 記録によると、日本最初の食品サンプルは、西尾惣次郎なる人物によって大正6年に製作されたという。現在のような飲食物見本を陳列するサンプルケースの源流は、大正12年に百貨店の食堂で誕生。同時に生まれた食券制度との併用で、混雑解消と売り上げ増に貢献したという。そして昭和7年、大阪で弁当屋の店員だった岩崎瀧三氏が、事業化に乗り出し、食品サンプルは全国に広がっていく。

 そんな歴史から、海外の人から見ると奇異にも映る食品サンプルを受け入れた日本人の心理構造、そしてソウルや上海などに定着しつつある食品サンプルの現状まで言及する異色日本文化史。(筑摩書房 800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒

  4. 4

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  5. 5

    国分太一の不祥事からたった5日…TOKIOが電撃解散した「2つの理由」

  1. 6

    国分太一は会見ナシ“雲隠れ生活”ににじむ本心…自宅の電気は消え、元TBSの妻は近所に謝罪する事態に

  2. 7

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  3. 8

    「ミタゾノ」松岡昌宏は旧ジャニタレたちの“鑑”? TOKIOで唯一オファーが絶えないワケ

  4. 9

    中居正広氏=フジ問題 トラブル後の『早いうちにふつうのやつね』メールの報道で事態さらに混迷

  5. 10

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償