「96歳のピアニスト」室井摩耶子著
96歳の今なお、現役で活躍するピアニストのエッセー集。
6歳でピアノを弾き始め、23歳でソリストデビューした著者は、なんと90年もピアノを弾き続けてきたことになる。しかし、今もリサイタル前は1日8時間の練習を欠かさないという。作曲家が音楽を通して伝えようとした「何か」を楽譜から読み取って、それを聴く人に伝えるのがピアニストの役割。一日中ピアノに向かうのは、楽譜を見つめてその「何か」を探しているからだという。
そんなピアニストとしての日常から、90歳を目前に家を新築した話や、自称「肉食人種の長寿族」だという食生活、そして老いに対する考え方など。自然体で生きるその姿にパワーをもらう。
(小学館 490円+税)