「くらしの昭和史」小泉和子著

公開日: 更新日:

 戦中戦後の混乱期から抜け出し、後半には経済成長が始まった昭和30年代は、史上もっとも暮らしが充実した時代だったという。

 それまでしつけの場の意味合いが高かった食事は、ちゃぶ台を囲んで家族揃って食べるのが当たり前になり、ハンバーグやシチューが献立にも並ぶようになる。また着物、モンペから洋服へと移り、女性の生理用品も登場した。

 中でも特筆すべきは、ハイレベルな家庭看護だ。当時は入院施設が少なかったこともあり、家庭で注射器、浣腸器、吸引器などの完備はもちろん、赤痢やチフスも家庭で看護していた。

 庶民の日常の暮らしの変化を貴重な資料とともに紹介する。

(朝日新聞出版 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ダウンタウンDX」終了で消えゆく松本軍団…FUJIWARA藤本敏史は炎上中で"ガヤ芸人"の今後は

  2. 2

    大阪万博「遠足」堺市の小・中学校8割が辞退の衝撃…無料招待でも安全への懸念広がる

  3. 3

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

  4. 4

    フジ経営陣から脱落か…“日枝体制の残滓”と名指しされた金光修氏と清水賢治氏に出回る「怪文書」

  5. 5

    【萩原健一】ショーケンが見つめたライバル=沢田研二の「すごみ」

  1. 6

    中居正広氏の「性暴力」背景に旧ジャニーズとフジのズブズブ関係…“中絶スキャンダル封殺”で生まれた大いなる傲慢心

  2. 7

    木村拓哉の"身長サバ読み疑惑"が今春再燃した背景 すべての発端は故・メリー喜多川副社長の思いつき

  3. 8

    大物の“後ろ盾”を失った指原莉乃がYouTubeで語った「芸能界辞めたい」「サシハラ後悔」の波紋

  4. 9

    【独自】「もし断っていなければ献上されていた」発言で注目のアイドリング!!!元メンバーが語る 被害後すぐ警察に行ける人は少数である理由

  5. 10

    上沼恵美子&和田アキ子ら「芸能界のご意見番」不要論…フジテレビ問題で“昭和の悪しき伝統”一掃ムード