体を張って提案 トンデモ「暇つぶし」

公開日: 更新日:

「超 暇つぶし図鑑」ARuFa著

 常人が思いつかないような「暇つぶし」の数々を考案し、実行する人気ブログの書籍化。

 例えば、子供時代に誰もが憧れたマンガやアニメのヒーローたちの手から繰り出される「バリア」。その「バリア」を、透明な下敷きを何枚も張り合わせて作り、両面テープで手のひらにつけて再現。好きなポーズで写真を撮れば、ファンタジーの世界へ紛れ込むことができると、実演してみせる。

 その他、手芸キットやプラモデルを説明書も読まず、自らの想像力だけを頼りに作り「新しい何かを生み出して」みるとか、1食分のそばの麺の長さを1本ずつ定規で計測してみたり(結果は4973センチだったとか)と、確かに退屈な時間を忘れさせてくれそうだ。

 ちなみに測るために規則正しく並べたそばは、これまでにない最高の喉越しを味わうことができたと、暇つぶしには思わぬ余禄もついてくる。

 一方で、ただの模様替えでは気分が一新しないから、部屋に100キロもの土を敷き詰め芝生や草花を植え、壁には拡大印刷した森の写真を張り付けて、自宅に居ながら森林浴を楽しむ(所要時間6時間)、専門業者に頼み、男離れした丸みと柔らかさが自慢の自分のお尻の複製を作る(3日間)、「7つの海を股にかける」を実行すべく、7つの湾を巡り(移動距離100キロ)集めた7種類の海水を自分の股=股間にかけてみたりと。体を張り、資金もつぎ込んだ大掛かりな「暇つぶし」も含め、70余種もの提案に、驚かされるやら、呆れるやら。

 著者は、暇つぶしのコツは「当たり前のことを疑う」ことだという。確かに、その発想力とバイタリティーには脱帽する。もしかしたら、ばかばかしいと笑ってしまうような、これらの暇つぶしの中に現状を打破するヒントが見つかるかも。

 (宝島社 980円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  2. 2

    帝釈天から始まる「TOKYOタクシー」は「男はつらいよ」ファンが歩んだ歴史をかみしめる作品

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  5. 5

    立川志らく、山里亮太、杉村太蔵が…テレビが高市首相をこぞってヨイショするイヤ~な時代

  1. 6

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  2. 7

    森七菜の出演作にハズレなし! 岡山天音「ひらやすみ」で《ダサめの美大生》好演&評価爆上がり

  3. 8

    小池都知事が定例会見で“都税収奪”にブチ切れた! 高市官邸とのバトル激化必至

  4. 9

    西武の生え抜き源田&外崎が崖っぷち…FA補強連発で「出番減少は避けられない」の見立て

  5. 10

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ