「RED」松田行正著

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 ヒトラーは類いまれな編集者だったのではないか、と著者はいう。

「忘れられた過去の遺物を再発掘し、再編集(アレンジ)して、過去とつながっているかのように演出して見せる」「ヒトラーのスタイルにはムソリーニの影響が大きいが、再編集によってあたかもヒトラー独自のスタイルであるかのように装うことに成功した」「ヒトラーのプロパガンダという手法こそ編集の最たるものだ」

 そんな、独裁者にして希代の編集者ヒトラーのデザインの詳細と歴史的位置づけを解き明かした初めての書である。

 構成は、ファッション、デザイン、グラフィックス、イミテーション、ハーケンクロイツほか6章立て。120本以上のナチス映画と膨大な図版をもとにヒトラーの世界を解剖した意欲作。

(左右社 2700円+税)

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