「海の地政学」ジェイムズ・スタヴリディス著、北川知子訳

公開日: 更新日:

 米海軍出身者初のNATO欧州連合軍最高司令官を務め、退役後の現在はタフツ大学学長の著者が、「海」がいかに人類史を動かし、21世紀の今も海洋戦略が重要であるかを語った回顧録。

 地中海の覇権をめぐる古代ギリシャ諸国やローマの海戦から、太平洋を舞台にした日米の艦隊戦、台頭する中国や核・ミサイル開発を進める北朝鮮の動向までを解き明かしながら、海軍戦略家マハンの「シーパワー(海上権力)論」を土台に、「国際政治の秩序は全世界の国々によって自発的に支えられる『世界公共財』であるべき」という主張を展開しているのが特徴だ。

 作家の佐藤優氏は「政治的、軍事的観点からも海が生きものであることがわかる」本として推薦している。

(早川書房 2200円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    JリーグMVP武藤嘉紀が浦和へ電撃移籍か…神戸退団を後押しする“2つの不満”と大きな野望

  2. 2

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  3. 3

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 4

    田中将大ほぼ“セルフ戦力外”で独立リーグが虎視眈々!素行不良選手を受け入れる懐、NPB復帰の環境も万全

  5. 5

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  1. 6

    FW大迫勇也を代表招集しないのか? 神戸J連覇に貢献も森保監督との間に漂う“微妙な空気”

  2. 7

    結局「光る君へ」の“勝利”で終わった? 新たな大河ファンを獲得した吉高由里子の評価はうなぎ上り

  3. 8

    飯島愛さん謎の孤独死から15年…関係者が明かした体調不良と、“暗躍した男性”の存在

  4. 9

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  5. 10

    中日FA福谷浩司に“滑り止め特需”!ヤクルトはソフトB石川にフラれ即乗り換え、巨人とロッテも続くか