「猟犬の旗」芝村裕吏著
日本の情報機関にスパイとして雇われているペルー人の〈俺〉。久しぶりに休暇を取って静岡に向かう電車の中で、女がバッグを置いて立ち去った。きな臭さを感じた俺は窓からそれを投げ捨て追い詰めた女を駅の階段から突き落とした。その日の夕刻、富士山に登ると場違いなスーツ姿の男が登ってきて急ぎの仕事が入ったと伝えてきた。3日後に関西国際空港にシリア人を満載した飛行機が到着する。そこに日本人活動家がなだれ込み機内に立てこもってシリア人の窮状を訴えるのを阻止しろという。関空の到着ロビーに着いたら、ヨーロッパ系のおばちゃんが空港の警備員らを射殺するのを目撃した。
連続テロに立ち向かう外国人スパイが活躍するエンターテインメント。
(KADOKAWA 1500円+税)