熱中症のリスクをアップさせる薬を飲んでいる人はご用心
暑さのピークは越えたというものの、厳しい残暑が続いています。まだまだ熱中症への警戒は欠かせません。
そんな中、熱中症で入院するほど重症化した人たちの背景を分析すると、ある「共通点」が見えてきました。今回は、国内最大規模、約6317万人分の診療データベース(MDV)を用いた最新の調査結果を紹介します。
2022年から2025年にかけて熱中症で入院した約1万1000人を対象に、入院前にどんな薬を飲んでいたかを調べたランキングです。驚くことに、処方割合の第1位は精神安定剤(7.6%)でした。次いで高血圧の薬であるARB(7.4%)、心臓や血圧のβ遮断薬(6.2%)、そして尿を出すループ利尿薬(5.4%)と続きます。
では、なぜこれらの薬が熱中症リスクに関係するのでしょうか? 理由は「薬の作用機序」にあります。たとえば精神安定剤や抗精神病薬の一部には、脳の体温調節機能や発汗機能を鈍らせるものがあります。また、利尿薬は体内の水分や塩分を強制的に排出し、脱水を進めやすくします。血圧の薬も、血管の収縮・拡張を抑えるため、本来備わっている熱を逃がす仕組みを邪魔してしまうケースがあるのです。


















