(36)籠城とは何とも不甲斐ない
突如として現れた宗長に褒められた孫十郎は、気を良くして胸を張り、口ひげを撫でつつにやりと笑う。
「さよう。俺が孫十郎だ。御坊は何者かな」
「ああ、儂は昨日、駿府より遣いで参ったのだ。総大将にお会いして城の様子を拝見しているところだ」
「ほう、では御坊は総大将と…
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