「食料植民地ニッポン」青沼陽一郎著
食料自給率40%を割り込むニッポンは、供給国の支配下に置かれたも同然。そんな食料植民地化したニッポンの食料事情の現実を伝えるリポート。
米国は、早くから国家戦略上の「武器」として食料に注目。そのわなにはまった日本は、工業輸出を促進する代わりに、米国から農産物を引き受けてきた。結果、自給率の低下と農業の衰退を招いてしまったという。
一方、21世紀に入ると、中国が穀物の輸出国から輸入国に転じ、資源とマーケットの構造変化が起きた。BSE感染牛が初めて見つかったアメリカの牧場、400人の作業員が手作業でたこ焼きを焼くタイの工場など、日本に輸入される食料が生まれる世界各地の現場を取材し、日本の食の危機的状況を伝える。
(小学館 650円+税)