「食料植民地ニッポン」青沼陽一郎著

公開日: 更新日:

 食料自給率40%を割り込むニッポンは、供給国の支配下に置かれたも同然。そんな食料植民地化したニッポンの食料事情の現実を伝えるリポート。

 米国は、早くから国家戦略上の「武器」として食料に注目。そのわなにはまった日本は、工業輸出を促進する代わりに、米国から農産物を引き受けてきた。結果、自給率の低下と農業の衰退を招いてしまったという。

 一方、21世紀に入ると、中国が穀物の輸出国から輸入国に転じ、資源とマーケットの構造変化が起きた。BSE感染牛が初めて見つかったアメリカの牧場、400人の作業員が手作業でたこ焼きを焼くタイの工場など、日本に輸入される食料が生まれる世界各地の現場を取材し、日本の食の危機的状況を伝える。

 (小学館 650円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

  2. 7

    白木彩奈は“あの頃のガッキー”にも通じる輝きを放つ

  3. 8

    渋野日向子の今季米ツアー獲得賞金「約6933万円」の衝撃…23試合でトップ10入りたった1回

  4. 9

    12.2保険証全面切り替えで「いったん10割負担」が激増! 血税溶かすマイナトラブル“無間地獄”の愚

  5. 10

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?