「消費大陸アジア ―巨大市場を読みとく」川端基夫著
日本人とアジアの人々が国境を超えて「消費を共有する」時代がやってきたと著者は言う。アジア各地に日本の飲食店やコンビニ、そして学習塾まで多くの業種が進出する一方、訪日観光客も居酒屋など日本人が日常的に利用する店に出入りする姿が一般的になった。
だが、お互いに「どうしてこんなものを買うのか?」「なぜこんなところに集まっているのか?」という疑問を抱いてしまうことも多い。インドネシアで人気のポカリスエットや、中国人観光客が殺到するドラッグストアなど、日本の商品や店舗が思わぬ「意味づけ」や「価値づけ」をされた例を紹介。そうしたモノゴトの「意味づけ」や「価値づけ」のギャップから、アジア市場固有の論理を解説したテキスト。
(筑摩書房 780円+税)