「トラクターの世界史」藤原辰史著

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 自然から食料を得るため、人類は約1万年前に土を耕すという行為を発明した。以来、営々と人力か家畜に頼って土を耕してきたが、1892年に内燃機関を搭載したトラクターが開発されたことにより、農作業の風景は一変する。トラクターの出現によって農民は重労働から解放されたが、一方で借金や土壌の圧縮など新たな問題にも直面。トラクターは家畜と異なり糞尿を排せつしないため大量の肥料が必要となり、農場内の物質循環も弱体化してしまった。

 さらに第1次世界大戦中、トラクターに着想を得た戦車が誕生。実は両者は2つの顔を持った1つの機械なのだという。本書は、トラクターの歴史をたどりながら、それぞれの地域にもたらした影響を考察した論考。

 (中央公論新社 860円+税)

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