「厳選あのころの日本映画101」立花珠樹著

公開日: 更新日:

 1948年公開の「酔いどれ天使」は、世界のクロサワへの出発点となる記念碑的な作品だ。

 戦後の闇市で破滅的な生き方をしている、三船敏郎演じるヤクザの松永が撃たれて、主役の真田医師(志村喬)の元に現れる。彼の中に純粋な気持ちが残っていることを見抜いた真田は、ヤクザをやめ、結核の治療に専念するように説得するのだった。

 当初、ヤクザの暴力を批判的に描くはずが、三船の演技が素晴らしかったため、完成した映画では松永がヒーローとなり人気を集めたというエピソードもある。

 そんな後日談や心に残る名せりふなども紹介しながら、2015年の山田洋次監督「母と暮せば」までの今こそ見たい名作・問題作101編を10のジャンルに分けて厳選ガイド。(言視舎 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  2. 2

    帝釈天から始まる「TOKYOタクシー」は「男はつらいよ」ファンが歩んだ歴史をかみしめる作品

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  5. 5

    立川志らく、山里亮太、杉村太蔵が…テレビが高市首相をこぞってヨイショするイヤ~な時代

  1. 6

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  2. 7

    森七菜の出演作にハズレなし! 岡山天音「ひらやすみ」で《ダサめの美大生》好演&評価爆上がり

  3. 8

    小池都知事が定例会見で“都税収奪”にブチ切れた! 高市官邸とのバトル激化必至

  4. 9

    西武の生え抜き源田&外崎が崖っぷち…FA補強連発で「出番減少は避けられない」の見立て

  5. 10

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ