「厳選あのころの日本映画101」立花珠樹著

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 1948年公開の「酔いどれ天使」は、世界のクロサワへの出発点となる記念碑的な作品だ。

 戦後の闇市で破滅的な生き方をしている、三船敏郎演じるヤクザの松永が撃たれて、主役の真田医師(志村喬)の元に現れる。彼の中に純粋な気持ちが残っていることを見抜いた真田は、ヤクザをやめ、結核の治療に専念するように説得するのだった。

 当初、ヤクザの暴力を批判的に描くはずが、三船の演技が素晴らしかったため、完成した映画では松永がヒーローとなり人気を集めたというエピソードもある。

 そんな後日談や心に残る名せりふなども紹介しながら、2015年の山田洋次監督「母と暮せば」までの今こそ見たい名作・問題作101編を10のジャンルに分けて厳選ガイド。(言視舎 1700円+税)

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