「ヨイ豊」梶よう子著

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 元治2(1865)年如月、亀戸村の光明寺で三代歌川豊国の七十七日法要が営まれる。広重も、国芳も既に他界。豊国の弟子で娘婿でもある二代目國貞こと清太郎は、版元らが大看板の豊国を失った歌川一門の去就を案じていることを痛感する。

 師匠は生前、清太郎を評して、根が真面目で、裏がないが、絵師としては面白くないと常々言っていた。自分でもそのことは痛感している。一方の弟弟子・八十八は、素行はでたらめだが、絵の才だけは天賦のものがあり、清太郎も認めざるを得ない。周囲は清太郎が豊国を継ぐと期待するが、清太郎にその気はない……。

 黒船来航から12年、幕末の江戸で滅びゆく一門と浮世絵を守ろうとする男たちの夢と意地の戦いを描く長編時代小説。(講談社 800円+税)


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