「明治日本の産業革命遺産」岡田晃著

公開日: 更新日:

 幕末に伊豆の代官を務めていた江川太郎左衛門英龍は、日本近海に外国船が頻繁に出没するようになっていたことから、1837年、幕府に伊豆の海防策強化を訴えた建議書を提出した。幕府の動きが鈍かったため、英龍は高島秋帆に入門して砲術を習得し、「韮山塾」を開く。大砲を鋳造する反射炉を研究し、鍋島直正に依頼されて佐賀藩の反射炉建設に協力した。

 ペリー来航後、幕府の命令で伊豆・韮山に反射炉を建設。英龍は道半ばで倒れたが、息子の英敏が完成させ、その技術は釜石の高炉建設などに引き継がれて、日本の鉄鋼業発展の礎となる。

 ほかに、石炭産業を育てた団琢磨ら、明治の近代工業化の基礎をつくったラストサムライを紹介する。

(集英社 1900円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    キンプリファンには“悪夢の7月”…永瀬廉&髙橋海人「ダブル熱愛報道」で心配な大量ファン離れ

  2. 2

    田中将大の日米通算200勝“足踏み”に巨人の営業がほくそ笑むワケ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平 本塁打王争いでシュワーバーより“3倍不利”な数字

  4. 4

    桑田佳祐も呆れた行状を知っていた? 思い出されるトラブルメーカーぶりと“長渕ソング騒動”

  5. 5

    《浜辺美波がどけよ》日テレ「24時間テレビ」永瀬廉が国技館に現れたのは番組終盤でモヤモヤの声

  1. 6

    キンプリ永瀬廉と熱愛報道で浜辺美波の最新写真集どうなる? NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の行方も左右

  2. 7

    方向性が定まっていない横山裕にとって「24時間マラソン」は、今後を占う大事な仕事だ

  3. 8

    「ポスト石破」最右翼の小泉農相“進次郎構文”また炸裂の不安…NHK番組で珍回答連発

  4. 9

    巨人に漂う不穏な空気…杉内投手チーフコーチの「苦言連発」「選手吊るし上げ」が波紋広げる

  5. 10

    正捕手・甲斐拓也の骨折離脱が巨人に「プラス」の根拠とは???