大谷翔平がドジャースを「完全支配」…死球合戦での紳士的態度に日米が“聖人君子”扱いする違和感
日米で称賛の嵐が吹き荒れている。
スポーツメディアはもちろん、テレビのワイドショーまで連日、「よくやった」とホメまくれば、かの米国もしかり。米誌「スポーツ・イラストレーテッド」(電子版)は「両チームが熱くなっていた中、大谷は平和的な役割を果たした。仕返しはだれでもできるが、相手への真のダメージは紳士的な態度で事態を収めること」と、まるで聖人君子のようだと報じている。
すでに死球合戦の様相を呈していた日本時間20日のパドレス戦で、この4連戦中2個目の死球を食らった大谷翔平(30=ドジャース)が、もう報復はいい、ベンチから出てくるなと自軍を制したジェスチャーに関してだ。
メジャーでMVPを3度受賞し、2年連続で本塁打王のタイトルも獲得した。野球選手として米国で頂点を極めたスーパースターであるのは事実だが、ちょっと待てと、大谷の態度に違和感を抱いた人も中にはいる。
米紙コラムニストのビリー・デービス氏がこう言うのだ。
「ぶつけられたのは大谷でも、ベンチを飛び出してパドレスに報復するかどうかはチーム、つまりドジャースの問題でしょう。当てられた本人とはいえ、大谷自身が判断すべきものではない。出てくるなというジェスチャーに加えて、一塁側のパドレスベンチまで行って沈静化を図ったが、本来は静かに黙って一塁まで歩いてしかるべきではなかったか。そこまでやるかと、大谷の行動に違和感というか、ある意味、傲慢さすら感じました」
それでも大谷が自軍を制したとたん、まさにベンチを飛び出さんばかりだったベテランのカーショー(37)は柵にかけていた足を引っ込めたくらい。試合後のロバーツ監督も「彼の姿勢に敬意を払う」と大谷をベタボメした。
「やられたからやり返すのか、そうしないのか。本来は監督なりチームが判断すべきことを大谷がやり、監督も主力もその行動をよしとして認めている。すなわちドジャースはすでに、大谷のチームになっていることの証左ですよ」とは前出のデービス氏だ。