「幸せをつかむ数式」オスカー・E・フェルナンデス著、藤原多伽夫訳

公開日: 更新日:

 メタボが各種生活習慣病のリスクを高めることは広く知られている。これを防ぐには、腹八分目を心がけて運動することが大切だ。しかし、自分にとっての“食べ過ぎ”や“適度な運動”の基準は不明瞭で、どれだけ努力をすればいいのかが分かりにくい。

 そこで役立つのが数式である。本書では「お金」と「恋愛」、そして「健康」という人生で重要な3つのテーマについて、数字や因子を用いて明確な答えを導き出す数式を活用しながらうまく進めていく方法を伝授している。

 メタボを予防したいなら、1日の総エネルギー消費量(TDEE)が1日のカロリー摂取量(C)を上回ることが大切だ。TDEEは、おおまかに「RMR+24時間のACB+DIT」という数式によって計算できるという。RMRとは、血液循環など体が基本的な機能を果たすために1日に必要なエネルギーである「安静時代謝量」のこと。ACBは1日のすべての有酸素運動で消費されるカロリー。そしてDITは「食事誘発性熱産生」と呼ばれるもので、食物の消化吸収と排出に必要なエネルギーを指す。

 ただし、運動の専門家でなければこの数式を正確に導き出すことは難しい。そこでTDEEを知るもっと簡単な方法として、「RMR×活動因子+0.1C」という数式も紹介している。

 活動因子については、軽い運動を週に1~3日なら1.4、活発な運動を毎日なら1.9など、参考値も紹介されている。この数式で導き出された数値よりもカロリー摂取量が高い日が続けば、メタボが悪化の一途をたどっていることが目に見えて明らかになってくるわけだ。

 他にも、ウエスト・身長比で寿命を調べる数式なども紹介する本書。健康維持に、数学的なアプローチを取り入れてみては。

 (化学同人 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?