「医師が教える1分腸活」小林弘幸著

公開日: 更新日:

 腸の働きは、食べ物を消化吸収して便をつくることだけではない。パイエル板という免疫装置を兼ね備え、免疫細胞に人体にとって有害な敵を学習させて強化し、全身の免疫力を高めるという役割を担っている。

 また、内臓の働きや血管の拡張と収縮、呼吸などを調整する自律神経にも影響を与えている。腸の働き自体も自律神経によって左右されるが、同時に腸が元気になることで自律神経を整えることも分かっているのだ。

 さらに、腸は私たちの幸せまでコントロールできる。実は、人間の感情や幸せな気持ちなどを決定する神経伝達物質の多くは、腸でつくられている。“幸せホルモン”の異名を持つセロトニンもそのひとつで、不足すればストレス障害やうつ症状にもつながるという大切なホルモンだ。そして、セロトニンの生成が進むのは、良好な腸内環境のときのみである。

 本書では、腸のチカラを最大限に発揮させる数々のメソッドを紹介。どれもひとつ1分程度でできる簡単なものばかりだ。例えば、頭や顔のタッピング。自律神経のバランスを整えるツボがたくさんあるため、指先で軽くトントンと刺激するだけで、腸にもよい効果が期待できる。

 腸の蠕動運動を促すストレッチを行うのもいい。とくにデスクワークが多い人は腸の動きが滞りがちなので、昼休みなどに「お腹しぼり」をお勧めしたい。肋骨の下を掴んで大きく息を吸い、掴んだ手でお腹をギュッと絞りながら体を前に倒して息を吐く。自律神経を整える効果とともに腸にも刺激が加わり、蠕動運動が促されやすくなるはずだ。

 腸を元気にすることは、私たちの体も心も元気にすることにつながる。毎日の腸活を習慣づけたい。

(自由国民社 1200円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束