「あいちトリエンナーレ『展示中止』事件」岡本有佳、アライ=ヒロユキ編

公開日: 更新日:

 あいちトリエンナーレ2019の一企画「表現の不自由・その後」は公共施設などで検閲・規制された作品を展示する企画だったが、3日後に中止に。菅官房長官による補助金不交付の示唆、河村名古屋市長による展示撤去の要請があったためだ。不自由展には日本軍の慰安婦となった韓国人女性を表現した「平和の少女像」などが展示されたが、国民の支持しない作品を展示するのはおかしいという。

 不当な攻撃により表現を奪われた者たちの表現の場・機会をつくることがコンセプトだったのに、津田大介芸術監督は「これだけの騒ぎになって、議論を喚起する目的は達した」と、出品作家に説明も相談もせず中止を決めた。美術展の「検閲」の実態をえぐる一冊。

(岩波書店 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  2. 2

    “芸能界のドン”逝去で変わりゆく業界勢力図…取り巻きや御用マスコミが消えた後に現れるモノ

  3. 3

    渡辺謙63歳で「ケイダッシュ」退社→独り立ちの背景と21歳年下女性との再々婚

  4. 4

    参政党は言行一致の政党だった!「多夫多妻」の提唱通り、党内は不倫やら略奪婚が花盛り

  5. 5

    悠仁さま「友人とガスト」でリア充の一方…警備の心配とお妃候補との出会いへのプレッシャー

  1. 6

    伊東市長「続投表明」で大炎上!そして学歴詐称疑惑は「カイロ大卒」の小池都知事にも“飛び火”

  2. 7

    大阪万博は鉄道もバスも激混みでウンザリ…会場の夢洲から安治川口駅まで、8キロを歩いてみた

  3. 8

    早場米シーズン到来、例年にない高値…では今年のコメ相場はどうなる?

  4. 9

    中島歩「あんぱん」の名演に視聴者涙…“棒読み俳優”のトラウマ克服、11年ぶり朝ドラで進化

  5. 10

    米価高騰「流通悪玉論」は真っ赤なウソだった! コメ不足を招いた農水省“見込み違い”の大罪