「2025年のデジタル資本主義」田中道昭著

公開日: 更新日:

個人情報

 コロナ禍で「リモート化」が広がったが、本書はリモートの基盤となるデジタル化は「破壊」をもたらすと警告する。GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)の成長は直線というより倍々ゲーム型のエクスポネンシャル(指数関数的)なもの。それゆえアマゾンの独り勝ちで多くの書店が廃業に追い込まれるような「破壊」が起こるのだ。

 しかし今後は「プライバシーテック」が重要と、立教大ビジネススクールで教壇に立つ著者はいう。特に注目するのがアップル。同社もユーザーの個人情報を大量に保有するが、これをビジネスには利用しないと言明。データの利用はユーザーの選択を最大限尊重するとしているからだ。それでも現代のアメリカでは不十分との批判もあるという。

 著者は広告表示でユーザーも利益を得るという新しい広告表示の例などを紹介し、「プライバシーテック」の可能性を具体的に伝えている。

(NHK出版 900円+税)

【連載】ウィズコロナ時代 本で読み解く経済の行方

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  2. 2

    帝釈天から始まる「TOKYOタクシー」は「男はつらいよ」ファンが歩んだ歴史をかみしめる作品

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  5. 5

    立川志らく、山里亮太、杉村太蔵が…テレビが高市首相をこぞってヨイショするイヤ~な時代

  1. 6

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  2. 7

    森七菜の出演作にハズレなし! 岡山天音「ひらやすみ」で《ダサめの美大生》好演&評価爆上がり

  3. 8

    小池都知事が定例会見で“都税収奪”にブチ切れた! 高市官邸とのバトル激化必至

  4. 9

    西武の生え抜き源田&外崎が崖っぷち…FA補強連発で「出番減少は避けられない」の見立て

  5. 10

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ