「2025年のデジタル資本主義」田中道昭著

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 コロナ禍で「リモート化」が広がったが、本書はリモートの基盤となるデジタル化は「破壊」をもたらすと警告する。GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)の成長は直線というより倍々ゲーム型のエクスポネンシャル(指数関数的)なもの。それゆえアマゾンの独り勝ちで多くの書店が廃業に追い込まれるような「破壊」が起こるのだ。

 しかし今後は「プライバシーテック」が重要と、立教大ビジネススクールで教壇に立つ著者はいう。特に注目するのがアップル。同社もユーザーの個人情報を大量に保有するが、これをビジネスには利用しないと言明。データの利用はユーザーの選択を最大限尊重するとしているからだ。それでも現代のアメリカでは不十分との批判もあるという。

 著者は広告表示でユーザーも利益を得るという新しい広告表示の例などを紹介し、「プライバシーテック」の可能性を具体的に伝えている。

(NHK出版 900円+税)

【連載】ウィズコロナ時代 本で読み解く経済の行方

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