「『2020』後 新しい日本の話をしよう」河合雅司著

公開日: 更新日:

人口減少

 ウィズコロナ時代の日本にとって最も大事な課題。それはコロナの前からある人口減少問題だ。リモートワークで自宅にこもることが増えるといっても晩婚化と少子化の流れが変わるわけではない。50歳で一度も結婚経験のない「生涯未婚率」は90年を境に上がり続け、2040年には男の3人に1人、女の5人に1人は未婚のままになるという。

「人口減少対策総合研究所」の理事長を務める著者は、コロナの影響を織り込んで社会をつくり替えることが大事だという。コロナ禍で企業が休業に追い込まれ、消費が激減する状況は「人口減少で国内マーケットが縮んだあとの日本の姿を想起させる」。それゆえ重要なのはウィズコロナを念頭に「戦略的に縮む」こと。しかしそのためには過去の成功体験にしがみつかないことが重要。

 ただし本書はわかりやすい処方箋を示さない。危機的な現状をわかりやすく示すことで若い世代の奮起を促しているようだ。

(講談社 1300円+税)


【連載】ウィズコロナ時代 本で読み解く経済の行方

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋