「悪魔に愛されたボクサー」丸山幸一著

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 奇妙な夢を見た。黒人ボクサーのイサヤ・イコニが、ずっと見つからなかった20年以上も前のスクラップブックの在りかを教えてくれたのだ。そのスクラップの中に、自分が触れたくない何かがあったのか。それはあるボクサーとの交流を自分でつづった覚書だった。

 1967年に入門したジムで出会ったのが、プロボクサーの篠田だった。その頃、共同生活をしていた郁子によく篠田の話をしたが、2人を会わせたくはなかった。郁子は私の思慮深さや洞察に引かれていたが、実はそれは篠田の受け売りだったからだ。だが、ある日突然、篠田がアパートを訪れ、「今日からオレもここに住む」と言った。

 ベテランのボクシングライターによる私小説3編。

(松柏社 1400円+税)

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