「メメント・モリ」原田宗典著

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 長らく沈黙を守っていた著者が10年ぶりに発表した小説の文庫化。

 2011年1月、原稿が全く書けず2年間無為の日々を過ごしていた「私」は、家族と離れ一人暮らしを始める。2カ月後に震災が発生。さらにヘルニアを発症してまた、1年を棒に振ってしまう。

 そんな中、友人のKが末期がんを宣告された。彼の死が近づく中、私は約束していたお見舞いをすっぽかし、謝罪のメールも出さずに鬱々とした日々を過ごしていた。

 3カ月後、交通事故に遭った私は、ある提案を相手に持ち掛ける。

 他にも旅先で出会った人の突然の死や、留置場体験、不倫相手との訴訟沙汰、20世紀最後のクリスマスを集中治療室で迎えた顛末など。人生の断片を思い出すままにつづり、自らの魂の遍歴をたどる自伝的作品。

(岩波書店 980円+税)

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