「ホームレス消滅」村田らむ著

公開日: 更新日:

 昨年1月時点で、国内で確認されたホームレスの数は4555人。令和の時代に日本の最底辺で生きる彼らの現実を伝えるルポルタージュ。

 海外では物乞いをするホームレスは当たり前だが、日本では少数派。なぜなのかと60代のホームレスに聞くと、プライドがあるから物乞いなどできないという人が多いという。

「お恵みで生かされたくない」という思いが強いから、生活保護を断って野宿生活をしているのだそうだ。そもそも彼らの半数以上は働いているのだ。

 一方で精神的疾患や知的障害を抱える人も多く、それはホームレスというより単に福祉からこぼれている人たちだと指摘。ドヤ街の歴史なども振り返りながら、繁華街を追われ河川敷に居場所を見つけたホームレスの暮らしぶりを伝える。

(幻冬舎 900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁