「スマホ料金はなぜ高いのか」山田明著
日本の携帯電話の利用料は、政府の値下げ圧力を受けながらも、いまだに高止まりしたまま。ウィズコロナでテレワークやモバイル通信の重要性が高まる今、通信事業に長年携わってきた著者が、かつて身内だったスマホ会社の「不都合な真実」を明らかにしながら、携帯料金値下げの具体的な方法を提示、リポートする。
問題の本質は、正しい情報を知らされず、海外に比べて高いとの認識がないまま、日本の消費者が割高な料金を支払い続けていることにあると指摘。意図的に行われてきたそうした情報操作のカラクリをはじめ、寡占問題、ゆがんだ料金体系や収益構造、官民の癒着など次々と暴露。その上で、何が値下げの邪魔をしているのか明かしながら、5Gで日本が世界の優位に立てる秘策まで説く。
(新潮社 720円+税)