「文豪と俳句」岸本尚毅著

公開日: 更新日:

 文豪と呼ばれる人々は、小説に負けず劣らず、俳句でも独自の作品世界をつくり上げている。そんな彼らの味のある俳句を読み解く文学テキスト。子どもの頃から俳書に親しんできたという明治の文豪・幸田露伴。晩年には芭蕉の俳句を解説する「評釈芭蕉七部集」も残している。若き日、逓信省職員として働いていた露伴は、赴任先の北海道から無断で帰京して免官に。その途上で「野垂れ死にをする時があったならば、きっとこんな光景だろう」と思って作った20歳の時の「里遠しいざ露と寝ん草枕」など。俳句を紹介しながらその生涯をたどる。ちなみに露伴の号はこの「露と寝ん」という句に由来するという。

 泉鏡花や宮沢賢治など近現代の作家13人の俳人としての顔を紹介する。

(集英社 1034円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    夏の京都に異変! 訪日客でオーバーツーリズムのはずが…高級ホテルが低調なワケ

  3. 3

    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

  4. 4

    不倫報道の福原愛 緩さとモテぶりは現役時から評判だった

  5. 5

    ヒロド歩美アナ「報ステ」起用で波紋…テレ朝とABCテレビの間に吹き始めた“すきま風”

  1. 6

    中日立浪監督「ビリ回避なら続投説」は本当か…3年連続“安定の低迷”でも観客動員は絶好調

  2. 7

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  3. 8

    夏休み到来! 我が子をテレビやゲーム、YouTube漬けにしない「割と簡単にできる方法」

  4. 9

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 10

    新庄監督は日本ハムCS進出、続投要請でも「続投拒否」か…就任時に公言していた“未来予想図”