「バカと無知」橘玲著

公開日: 更新日:

 科学的知見から現代社会の諸相を解き明かす週刊誌人気連載の書籍化。

 著名人のスキャンダルが世間の怒りや批判をかき立てるのはなぜか。その理由は、長大な進化の過程でヒトは、徹底的に社会的な動物として「設計」されてきたからだという。旧石器時代、我々の祖先は、「目立ちすぎて反感を買うと共同体から放逐されて死んでしまう」「目立たないと性愛のパートナーを獲得できず子孫を残せない」という矛盾に直面。この難問をクリアするため、自分が批判されることを過度に警戒すると同時に集団からの逸脱行為をつねに監視するよう進化したのだ。

 ほかにも、過剰敬語「よろしかったでしょうか」の蔓延などを俎上に、人間という厄介な存在の行動原理の背景を解説。 (新潮社 968円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する