「バカと無知」橘玲著

公開日: 更新日:

 科学的知見から現代社会の諸相を解き明かす週刊誌人気連載の書籍化。

 著名人のスキャンダルが世間の怒りや批判をかき立てるのはなぜか。その理由は、長大な進化の過程でヒトは、徹底的に社会的な動物として「設計」されてきたからだという。旧石器時代、我々の祖先は、「目立ちすぎて反感を買うと共同体から放逐されて死んでしまう」「目立たないと性愛のパートナーを獲得できず子孫を残せない」という矛盾に直面。この難問をクリアするため、自分が批判されることを過度に警戒すると同時に集団からの逸脱行為をつねに監視するよう進化したのだ。

 ほかにも、過剰敬語「よろしかったでしょうか」の蔓延などを俎上に、人間という厄介な存在の行動原理の背景を解説。 (新潮社 968円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」