「バカと無知」橘玲著

公開日: 更新日:

 科学的知見から現代社会の諸相を解き明かす週刊誌人気連載の書籍化。

 著名人のスキャンダルが世間の怒りや批判をかき立てるのはなぜか。その理由は、長大な進化の過程でヒトは、徹底的に社会的な動物として「設計」されてきたからだという。旧石器時代、我々の祖先は、「目立ちすぎて反感を買うと共同体から放逐されて死んでしまう」「目立たないと性愛のパートナーを獲得できず子孫を残せない」という矛盾に直面。この難問をクリアするため、自分が批判されることを過度に警戒すると同時に集団からの逸脱行為をつねに監視するよう進化したのだ。

 ほかにも、過剰敬語「よろしかったでしょうか」の蔓延などを俎上に、人間という厄介な存在の行動原理の背景を解説。 (新潮社 968円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上智大は合格者の最大40%も…2021年から急増した「補欠合格」の現状

  2. 2

    慶応幼稚舎の願書備考欄に「親族が出身者」と書くメリットは? 縁故入学が横行していた過去の例

  3. 3

    「NHKの顔」だった元アナ川端義明さんは退職後、いくつもの不幸を乗り越えていた

  4. 4

    赤西仁と田口淳之介が始動…解散した「KAT-TUN」元メンバーたちのその後

  5. 5

    永野芽郁の「文春」不倫報道に噛みついたGACKTさんは、週刊誌の何たるかがわかっていない

  1. 6

    人間の脳内のマイクロプラスチック量は「使い捨てスプーン」サイズ…8年前より1.5倍に増えていた

  2. 7

    「ニュース7」畠山衣美アナに既婚者"略奪不倫"報道…NHKはなぜ不倫スキャンダルが多いのか

  3. 8

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  4. 9

    トランプ大統領が大慌て…米国債の「金利急上昇」は何が大問題だったのか?

  5. 10

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”