「51のデータが明かす日本経済の構造」宮本弘曉著

公開日: 更新日:

 象徴的な51の各種国際統計・データから日本経済停滞の理由を明らかにする経済テキスト。

 世界中を悩ますインフレだが、日本のインフレ率は欧米諸国に比べるとはるかに低い。これは今に始まったことではなく、この20年、日本の物価がおおむね0%成長だったのに対し、海外は約1.5倍に。賃金も日本は25年ほぼ横ばいだが米英は約1.4倍になっている。

 岸田首相は格差や気候変動の問題に対処する「新しい資本主義」を提唱するが、実は日本の格差はこの20年それほど広がっておらず、所得が全体的に落ち込む「共同貧困」に陥っているという。

 こうした物価や賃金、企業経営と労働などのデータから、日本の経済構造が「未熟な資本主義」であると指摘し、そこからの脱却の処方箋を示す。

(PHP研究所 1056円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし