「泣き娘」小島環著

公開日: 更新日:

 女帝・武則天の御世、13歳の燕飛は洛陽随一の哭女(こくじょ)だ。

 哭女とは、葬儀の際に遺族に雇われ故人を弔うために泣く女のことで、2年前から「泪飛(るいひ)」の名で遺族の心に寄り添って悲しみをうたう燕飛の仕事ぶりは人気を呼んでいる。

 しかし、燕飛には周旋屋の右聴しか知らない秘密があった。延載元(694)年6月9日、燕飛が豪商・黄家の主人の墓所で哭礼の歌を歌い始めた直後、葬儀にはふさわしくない異装の男が乱入してきた。青蘭という名のその男は、遊牧国家との戦いで戦死した親友の死の真相を突き止めようと、彼の部下の葬儀に雇われた燕飛に会いに来たらしい。しかし、燕飛は仕事で見聞きしたことを漏らすわけにはいかない。(「胡服麗人」)

 中国唐代の洛陽を舞台に描く青春ミステリー。

(集英社 781円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動