「事件は終わった」降田天著

公開日: 更新日:

 地下鉄の車内で迷彩柄のダウンジャケットを着た青年が、マタニティーマークをつけたバッグを持った女性にナイフで切りつけた。非常ボタンを押す高校生、逃げようとする会社員。混乱と恐怖のなかで、トレンチコートを着た老人がナイフの青年につかみかかって殺された。

 負傷者は出たが女性は助かった。その地下鉄に乗り合わせた和宏は、屈強な若い男だったために逃げ出したことをSNSで非難された。そのうえ、アパートにいるとき、水道管を水が流れるような轟音や、絞り出すような女の声が聞こえるようになる。──助けて。(「音」)

 無差別殺傷事件の現場に居合わせた人たちを不可解な出来事が襲う戦慄のミステリー。

(集英社 1980円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?