著者のコラム一覧
柚月裕子

1968年、岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。2013年「検事の本懐」で第15回大藪春彦賞、2016年に「孤狼の血」で第69回日本推理作家協会賞受賞。著書に「慈雨」「盤上の向日葵」など多数。

第二話 立場的にあり得ない(17)懐かしい、青春のにおい

公開日: 更新日:
イラスト・大野博美

 丹波はしどろもどろになりながら、涼子に言う。

「それはそうだが、なにもしないでいるってのも、どうも落ち着かなくて──」

 諦めの悪い丹波に、涼子はがつんと言った。

「冴えない中年オヤジが、若い大学生のまわりをうろちょろしてたら、本人もまわりも変に思うでしょう。… 

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