「ブラッドシュガー」サッシャ・ロスチャイルド著、久野郁子訳

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「ブラッドシュガー」サッシャ・ロスチャイルド著、久野郁子訳

 ルビー・サイモンはマイアミで順調なキャリアを積んできた30歳の臨床心理士。地元放送局でカメラマンとして働くジェイソンと新婚生活を送り始めたある日、隣で寝ていた彼が突然亡くなる事態に見舞われる。1型糖尿病の持病があったジェイソンが、睡眠中に危険な低血糖に陥ったのだ。

 普段ならルビーが気づいて対処していたのだが、その日、ルビーは深い眠りに落ちていて、気づいたときにはすでに手遅れだった。

 放心状態になったそんなルビーのもとに、ひとりの刑事がやってくる。彼は、ルビーの近くで今まで4人の人間が亡くなり、ルビーの夫が4人目であることを告げた。夫殺しの容疑者としてマークされたルビーには、かつて事故として処理された殺人の過去があった。世間はルビーをサイコパスとして注目し始める。ルビーは、夫殺しの無実を証明できるのか……。

 本書は、数多くのヒット作を手掛ける人気脚本家による初めての小説。2022年にニューヨーク・タイムズのベストスリラーに選ばれた。序盤からあっという間に読み手を物語の世界に引き込み、ページをめくる手が止まらなくなること必至だ。 (KADOKAWA 2420円)

【連載】週末に読みたいこの1冊

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