「ブラッドシュガー」サッシャ・ロスチャイルド著、久野郁子訳

公開日: 更新日:

「ブラッドシュガー」サッシャ・ロスチャイルド著、久野郁子訳

 ルビー・サイモンはマイアミで順調なキャリアを積んできた30歳の臨床心理士。地元放送局でカメラマンとして働くジェイソンと新婚生活を送り始めたある日、隣で寝ていた彼が突然亡くなる事態に見舞われる。1型糖尿病の持病があったジェイソンが、睡眠中に危険な低血糖に陥ったのだ。

 普段ならルビーが気づいて対処していたのだが、その日、ルビーは深い眠りに落ちていて、気づいたときにはすでに手遅れだった。

 放心状態になったそんなルビーのもとに、ひとりの刑事がやってくる。彼は、ルビーの近くで今まで4人の人間が亡くなり、ルビーの夫が4人目であることを告げた。夫殺しの容疑者としてマークされたルビーには、かつて事故として処理された殺人の過去があった。世間はルビーをサイコパスとして注目し始める。ルビーは、夫殺しの無実を証明できるのか……。

 本書は、数多くのヒット作を手掛ける人気脚本家による初めての小説。2022年にニューヨーク・タイムズのベストスリラーに選ばれた。序盤からあっという間に読み手を物語の世界に引き込み、ページをめくる手が止まらなくなること必至だ。 (KADOKAWA 2420円)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い