「体育がきらい」坂本拓弥著

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「体育がきらい」坂本拓弥著

 現代の小学生にとって、体育は好きな教科ランキングの2位である一方、嫌いな教科の3位にもランキング。本書は、「体育なんて好きにならなくていい」と説く体育・スポーツ哲学の専門家が、「体育嫌い」の正体について考察したテキスト。

 体育嫌いが際立っているように見えるのはSNSが深くかかわっているという。SNSによって、潜在的に存在していた体育嫌いの人がお互いの存在に気づき、つながり、さらに自らの嫌な体験を思い出しているからだ。体育嫌いがより強烈な印象や記憶を私たちに与える大きな原因の一つが「他者にからだを見られる」ことだという。

「きらい」の原因をひとつずつ「哲学」しながら、体育に対する読者の見方を変えてくれる当事者、教育者必読の手引書。

(筑摩書房 968円)

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