「御社のチャラ男」絲山秋子著

公開日: 更新日:

「御社のチャラ男」絲山秋子著

 ある日、食品会社の営業マンの岡野(32歳)が外回りから戻ると、同僚の山田が逮捕されたと教えられる。昔の窃盗癖が出たらしい。社長が警察に行き、三芳部長は案の定、とっくに帰ったという。

 そういえば、三芳をチャラ男と呼び始めたのは山田だった。4、5年前、当時40代になったばかりの三芳は、ヘッドハンティングされ入社。軽いし、ちょっと変わっているが、岡野から見た三芳部長はそれほど悪い人には見えない。しかし、転職を繰り返してきた山田によると三芳はどの職場にも必ず1人はいる典型的なチャラ男だという。

 ほかにも、社長秘書のかな子(24歳)や、元社内不倫相手の素子(33歳)ら、チャラ男について語る社員たちの話から会社という組織の実態が浮かび上がる会社員小説。

(講談社 869円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上智大は合格者の最大40%も…2021年から急増した「補欠合格」の現状

  2. 2

    慶応幼稚舎の願書備考欄に「親族が出身者」と書くメリットは? 縁故入学が横行していた過去の例

  3. 3

    「NHKの顔」だった元アナ川端義明さんは退職後、いくつもの不幸を乗り越えていた

  4. 4

    赤西仁と田口淳之介が始動…解散した「KAT-TUN」元メンバーたちのその後

  5. 5

    永野芽郁の「文春」不倫報道に噛みついたGACKTさんは、週刊誌の何たるかがわかっていない

  1. 6

    人間の脳内のマイクロプラスチック量は「使い捨てスプーン」サイズ…8年前より1.5倍に増えていた

  2. 7

    「ニュース7」畠山衣美アナに既婚者"略奪不倫"報道…NHKはなぜ不倫スキャンダルが多いのか

  3. 8

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  4. 9

    トランプ大統領が大慌て…米国債の「金利急上昇」は何が大問題だったのか?

  5. 10

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”