「赤い星々は沈まない」月吹文香著

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「赤い星々は沈まない」月吹文香著

 老人介護施設で働く看護師ミサは、他の施設から転所してきた新堂キヌ子に悩まされていた。午前2時過ぎのナースコールで沼田タカシの部屋に行くと、沼田のベッドにキヌ子が潜り込んでいた。これで3度目の夜這いだ。

 困惑するキヌ子の息子は、母の性欲を抑える薬を処方してほしいと頼む。キヌ子は以前、料理教室をやっていて、良妻賢母だったと。

 ミサのほうは逆に夫とのセックスレスに悩んでいた。息子を産んで以来、夫がミサに触れなくなったのだ。自分はこのまま体を求められることなく年をとっていくのだろうか。(表題作)

 それぞれの性のうずきを見つめた「R-18文学賞」大賞受賞作。

(新潮社 1870円)

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