「赤い星々は沈まない」月吹文香著

公開日: 更新日:

「赤い星々は沈まない」月吹文香著

 老人介護施設で働く看護師ミサは、他の施設から転所してきた新堂キヌ子に悩まされていた。午前2時過ぎのナースコールで沼田タカシの部屋に行くと、沼田のベッドにキヌ子が潜り込んでいた。これで3度目の夜這いだ。

 困惑するキヌ子の息子は、母の性欲を抑える薬を処方してほしいと頼む。キヌ子は以前、料理教室をやっていて、良妻賢母だったと。

 ミサのほうは逆に夫とのセックスレスに悩んでいた。息子を産んで以来、夫がミサに触れなくなったのだ。自分はこのまま体を求められることなく年をとっていくのだろうか。(表題作)

 それぞれの性のうずきを見つめた「R-18文学賞」大賞受賞作。

(新潮社 1870円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし