著者のコラム一覧
嶺里俊介作家

1964年、東京都生まれ。学習院大学法学部卒。2015年「星宿る虫」で第19回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、デビュー。著書に「走馬灯症候群」「地棲魚」「地霊都市 東京第24特別区」「昭和怪談」ほか多数。

火付け役は貞子…社会現象になったホラー作品 ~「リング」「バトル・ロワイアル」~

公開日: 更新日:

ホラーは漫画の世界をも席巻した

 最後に、現在大ヒットしているホラー作品を紹介しましょう。

 芥見下々の『呪術廻戦』(集英社刊:0~27巻※以下続刊)は、現在メガヒットしているコミックです。

 呪いが具現化して人間を襲う世界。主人公は封印が解かれた呪物に襲われた際に、力を得るために特級呪物を体内へ取り込み、窮地を脱する。しかし同時に呪いの王が主人公を器として復活するきっかけとなってしまい、いざ呪いの王が復活の際には自殺することを前提にして、呪いと戦う呪術師の業を負う。

 人間がいる限り呪いが生まれる。襲ってくる以上、戦わねばならない。

 バトルでは主人公チームのメンバーがどんどん死んでいくので予断を許しません。

 作者の覚悟が垣間見えます。少年漫画では敬遠されがちなギャンブルレジャーですら登場します。主要キャラにパチンコ絡みの能力を備えさせるところなど、まったく遠慮がない。自分が描きたいように描く、との作者(※作画を伴う作品なので著者ではなく作者と表記)の叫び声がコマ間から漏れ聞こえてくる。作者の快哉が作品から響く。

 人気あるだろうキャラを次々と退場させていく展開は、潔さとともに爽快。

 作品が持つ強力なパワーは、メディアミックスを経て肥大し、なお拡大している。国内どころか海外での人気が加速して、ジブリやポケモンを超える勢いだというから驚き。

 この作品は、いままさにクライマックスを迎えていますが、ぜひ最後まで見届けたい。読み終えるまで私は死にたくない。

 ──そんな作品が、いまいくつあるだろうか。

 それこそが、自分が生きている証しではないかと私は思うのです。





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