「日銀総裁のレトリック」木原麗花著

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「日銀総裁のレトリック」木原麗花著

 今年7月、金融政策を転換した日銀が短期金利の引き上げを発表すると、為替と株価が乱高下。その要因は、日銀、そして植田総裁のメッセージが市場や国民にうまく伝わっていないからだと著者は指摘する。

 双方のコミュニケーションの成否を左右するのがレトリック(説得の技法)だという。レトリックは言説に潜む権力構造や社会関係も表し、使い方次第では、都合の良い情報を際立たせ、そうでない情報を隠すこともできる。レトリックを分析すれば日銀がどのような政策を構築し、自らの政策をどのように正当化しようとしているかも分かるのだ。

 本書は、歴代の日銀総裁、そして植田総裁が用いたレトリックを分析し、日銀の金融政策を読み解く経済テキスト。

(文藝春秋 1100円)

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