「赤と青とエスキース」青山美智子著

公開日: 更新日:

「赤と青とエスキース」青山美智子著

 メルボルンに留学中の「私」は、現地在住の日本人と知り合い、帰国するまでの期限付きで交際を始める。自称「ブー」と名乗る彼は、名前にちなんで私を「レイ」と呼ぶ。メルボルンで画商をしている両親のもとで育ったブーは、日本に行ったことがないという。大学でも友人をつくれず、孤独な日々を送っていた私は、お調子者のブーの明るさに救われる。

 しかし、別れの日は刻々と近づいてくる。帰国が数日後に迫ったある日、私はブーに頼まれ、彼の友人の画家の卵・ジャックのモデルを務める。下絵(エスキース)にとりかかったジャックの前で椅子に座り、立ち会ったブーと視線を交わす私の脳裏にさまざまな思いが湧きあがる。

「エスキース」と題された一枚の絵に紡がれた男女の人生を描く連作集。

(PHP研究所 858円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 4

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 7

    沢口靖子vs天海祐希「アラ還女優」対決…米倉涼子“失脚”でテレ朝が選ぶのは? 

  3. 8

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  4. 9

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  5. 10

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち