「月の立つ林で」青山美智子著

公開日: 更新日:

 人間関係に疲れて長年勤めた総合病院を辞め、自宅にいた朔ケ崎怜花は、隣家の樋口さんから、旅行に行くので飼い猫のルナを預かってほしいと頼まれた。弟の佑樹に既に承諾を得ているという。ルナは人なつこい白猫で、子どもの頃飼っていたウサギを思い出させた。

 新月の日、アマゾンミュージックのポッドキャスト番組「ツキない話」で、タケトリ・オキナという男性が「新月は新しい時間のスタート」だと話していた。宝石のブラックムーンストーンは新月の象徴だと知って、怜花は通販サイトで見つけた「朔」と名付けられたブラックムーンストーンの指輪を買おうと決めた。新しい仕事に就く自分のお守りになると。(「誰かの朔」)

 タケトリ・オキナの話に癒やされて日々を生きる人びとを描く5編の物語。

(ポプラ社 1760円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党・神谷宗幣代表の「質問主意書」がヤバすぎる! トンデモ陰謀論どっぷり7項目に政府も困惑?

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  4. 4

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  5. 5

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  1. 6

    フジテレビ「不適切会合」出席の福山雅治が連発した下ネタとそのルーツ…引退した中居正広氏とは“同根”

  2. 7

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  3. 8

    清原果耶は“格上げ女優”の本領発揮ならず…「初恋DOGs」で浮き彫りになったミスキャスト

  4. 9

    選管議論で総裁選前倒しでも「石破おろし」ならず? 自民党内に漂い始めた“厭戦ムード”の謎解き

  5. 10

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます