「佐伯泰英 山脈登頂記」北尾トロ著
「佐伯泰英 山脈登頂記」北尾トロ著
エンタメ時代小説の巨人・佐伯泰英は、「月刊佐伯」の異名を持つほど多作で、1999年以来、300冊以上の作品を発表。その膨大な作品群を完全読破して紹介する解説本。
「密命」シリーズは、これまで国際犯罪小説を書いていたが売れず悩んでいた佐伯が、起死回生を図って時代小説に転じた記念碑的作品。ゆえに第1巻はシリーズ化など念頭になく、作家のその時点でのすべてが詰め込まれており、冒頭からいきなり「面白い」。
密命シリーズ全26巻を皮切りに、全51巻もありながら読み終えるのが惜しくなるという代表作「居眠り磐音 江戸双紙」、そして屈指の人気を誇り現在もシリーズ進行中の「吉原裏同心」まで、全306冊を読んで読んで語り尽くす。
(朝日新聞出版 990円)