ウディ・アレン最新作「ブルージャスミン」に“大傑作”の声
■「『アニー・ホール』に匹敵の傑作」
映画批評家の前田有一氏が言う。
「種あかしになってしまうので詳しいことはお話しできませんが、ラブコメディーのふりをしたミステリー。最近はベテランの小手先で作ったかのような作品が続いていましたが、久々にウディ・アレンの人間観察力が遺憾(いかん)なく発揮された一本です。プライベートでも数々の浮名を流してきた監督だけに、女性の心情を描くのが非常にうまい。最後に仕込まれた大どんでん返しは実に巧妙で計算され尽くしている。代表作『アニー・ホール』(77年)や『ハンナとその姉妹』(86年)に匹敵する一本でしょう」
毎年ほぼ1本ペースで作品を量産してきた映画界の巨匠。こんな多作の人は長い映画史を振り返っても他に見当たらないが、出来不出来が極端に激しいのもこれまた事実。貴重な(?)当たり作品、見て損はない。