NPBピッチクロック導入検討のウラに大谷翔平、ダル、菅野らメジャーリーガーからの強烈圧力

公開日: 更新日:

 3月31日付のスポニチによると、NPBが投球間の時間制限ルールの「ピッチクロック」の導入を再検討する見通しだという。

 MLBで2023年に導入されたこのルール、投手は走者なしの場面で15秒、走者ありの場面では18秒以内に投球動作に入らなければ1ボールが宣告され、打者は8秒以内に打席で構えを完了していなければ1ストライクになるというものだ。3月のWBCで採用されたものの、野球の主要国では日本が唯一、未導入とあって、投打で対応に苦慮した。

 日本でも試合時間の短縮を目的に、23年に導入が検討された。NPBと12球団はかねて試合のスピードアップを目指しているが、反対意見もあって頓挫した。その際、危惧されたのが球場での飲食、グッズの物販収入減だ。試合時間が短くなり、観客の滞在時間が減れば、飲食やグッズの売り上げもマイナスになりかねない、というわけだ。

 そもそもMLB球団とNPB球団の収益構造は大きく違う。元ソフトバンクホークス取締役の小林至氏は本紙コラムで、MLBは放映権料収入が全体の約35%を占める一方、NPBのそれは推定15%にとどまるとした。12球団はそれだけ、物販収入への依存度が高いのだ。

 しかし、3月のWBCを契機に時短を求める声は勢いを増している。

 NPBの試合時間は、スピードアップを推進している割には、WBCやメジャーと比べて長い。今季のセ・パ開幕カード計18試合の平均試合時間は3時間3分(9回試合は2時間59分)。ファンからは「試合が間延びする」との声もある。

 WBCの東京ラウンド全10試合の平均時間は約2時間38分。前回23年大会よりも43分間ほど短縮した。日本戦も同ラウンド4試合の平均が2時間42分。米国ラウンドでは、大激戦の末に敗れた準々決勝のベネズエラ戦でさえ3時間7分だった。

 大谷翔平ドジャースも、3月31日までの4試合の平均は約2時間39分とスピーディーだ。

 MLBはピッチクロック導入直後の23年シーズンで前年から約24分間短縮した。コミッショナーのマンフレッド氏は先日、YouTubeチャンネル「The Sports Leader」で、「ピッチクロックを導入して以来、観客動員は4年連続で増加している。ファンのアンケート結果はほぼ一様にポジティブだ」などと発言。投球間隔短縮による投手の負担増など、課題はあるにせよ、米国内ではピッチクロックの導入が試合中継の視聴数、広告収入アップに寄与しているとみられている。

 ピッチクロックは、WBCに出場した侍ナインからも、NPBでの採用を求める声が噴出している。準々決勝でベネズエラ相手に力負けしたうえ、この未体験ルールの対処にも苦慮。NPBにも「15秒ルール」があるが、走者なしの場面のみに適用される。バッテリーは走者がいる状況や点差が競った展開で心理的に追い込まれた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    萩本欽一(11)ひとりぼっち寂しく貧乏飯を食べながら「先生も同級生もバカだな」と思うことにした

  2. 2

    「男なら…」ヤクルト1位・村上宗隆を育てた父親の教育観

  3. 3

    社民・福島瑞穂代表と高市首相が35年前に共感しあっていた仰天「濃厚セックス対談」の中身

  4. 4

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

  5. 5

    ゾンビたばこ羽月隆太郎「共犯者暴露」の大きすぎる波紋…広島・新井監督の進退問題にまで飛び火か

  1. 6

    小手先、その場しのぎではもう駄目だ 長期金利急上昇は市場から高市への「退場勧告」

  2. 7

    追い込まれた高市首相ついに補正予算編成表明も…後手後手のくせして無能無策の極み

  3. 8

    佐々木朗希“初物尽くし”2勝目のウラに心境の変化…ドジャース指揮官が「以前との違い」を明かす

  4. 9

    ソフトBモイネロの体たらくに小久保監督イラッ…なぜ“同条件”の巨人マルティネスと差がついた?

  5. 10

    株主82万人に拡大も…前澤友作氏「カブ&ピース」のビジネスモデルは法規制に大きく左右される