(1)6年前、山手線で心肺停止に…AEDはあるのに使われない現実

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 私は6年前、山手線の車内で突然、心肺停止になりました。AEDが4回作動しても戻らず、それでも駅員さんたちが胸骨圧迫(心臓マッサージ)を続けてくれたことで、命がつながりました。

 あの日、あの場所に居合わせたバイスタンダー(現場に偶然居合わせた人)の方々の行動がなければ、今の私はありません。心肺停止の体験は拙著「山手線で心肺停止!」にまとめています。

 けれど正直に言えば、倒れる前の私はAEDも胸骨圧迫も完全に他人事でした。「駅にあるのは知っている」程度で、使い方も、必要な場面も、ほとんど分かっていなかったのです。

 心停止は、ドラマの中の出来事ではありません。日本では今も、心臓突然死は決して珍しくなく、「6分に1人が亡くなっている」ともいわれます。つまりそれは、遠い誰かの話ではなく、自分かもしれないし、家族かもしれない。大切な人の隣で起こる現実です。

 日本にはAEDが約69万台設置され、その数は世界でもトップクラスといわれます。街のあちこちに置かれているのに、救急現場で実際に使われている割合はまだ5%前後にとどまっています。「使わない」のではなく、どこにあるか分からない、触ったことがない、間違えたら怖い。そんな“ためらい”が壁になっているのだと思います。

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