「大人も知らない? 仏像のふしぎ事典」田中ひろみ著

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「大人も知らない? 仏像のふしぎ事典」田中ひろみ著

 旅先で古刹巡りを欠かさないという人も多いことだろう。歴史あるお寺は、その由緒ある建物も見応えがあるが、ご本尊である仏像も信仰の対象としてだけでなく、美術品、工芸品として一見の価値がある。

 しかし、いざ本堂で仏像と対峙すると、座っている像もあれば立っているものもあり、さらにポーズや持ち物まで、さまざま。

 仏像は「祈る心」を形にしたもので、その姿の奥には「喜び」「悲しみ」「恐れ」「願い」など、人が生きるうえで感じる気持ちが静かに息づいている。髪形やポーズ、持ち物にもひとつひとつ意味があり、そのメッセージが分かると仏像の世界がぐっと面白くなるという。

 本書は、そんな知っているようで知らなかった仏像について解説してくれるイラスト入門事典。

 仏像のモデルが、今から2500年前くらいにインドで仏教を始めたお釈迦さまということはご存じだろう。だが、実はお釈迦さまは「私が死んだあと、私の姿の像を作ってはいけない」と言い残したので、初めは仏像の代わりに、遺骨を納めた仏塔(ストゥーバ)など、お釈迦さまを思い出すシンボルを拝んでいた。

 しかし、死後500年くらいが経った頃、そのお姿を知りたいという人が増え、お釈迦さまの像=仏像が作られるようになったという。

 そんな事始めから、仏像は何のためにあるのかという基礎知識に始まり、「如来」「菩薩」「明王」「天部」と大きく4つに分類されるそれぞれの仏像についての解説。

 さらに、日本人にお馴染みのお地蔵さまや、仏像が持っているハスの花や宝珠などの道具=持物、印相とよばれる手のしぐさのそれぞれの意味までやさしく解説。

 一読してから参拝すれば、仏像がぐっと身近に感じられるに違いない。 (マイクロマガジン社 1100円)

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